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July 27, 2008

【感想】吹田市交響楽団 第65回定期演奏会

2008年5月6日(祝・火) 14:00 吹田市文化会館メイシアター・大ホール

メンデルスゾーン: 序曲「美しいメルジーネの物語」 (*)
シベリウス: 交響曲第7番ハ長調 op.105 (*)
プロコフィエフ: 交響曲第5番変ロ長調 op.100
(アンコール)プロコフィエフ: 歌劇「3つのオレンジへの恋」より「行進曲」

指揮: 米山 信(*)、新谷 武

<感想>

すっきりと明快に纏めたシベリウスの交響曲第7番、パワフルでリッチなサウンドで邁進したプロコフィエフの交響曲第5番、それぞれの指揮者のカラーがよく出た意欲的な演奏会でした。

副指揮者の新谷さん、わずか3ヶ月前の前回演奏会ではチェリビダッケばりの遅いテンポで歌い上げたチャイコフスキーの交響曲第5番を披露してくださいましたが、今回はパワフルでリッチなサウンドで迫力満点でした。 朗々と吹く金管、明快な打楽器、すきっとした木管も見事でしたが、分奏の良い弦楽器が全体を支え、一丸となって瞬発力のある音楽で会場内を惹きつけていました。 中でも7本揃えたコントラバスに8本のチェロ、底流をゴウゴウと流れていたのが素晴らしく、強く印象に残りました。

常任指揮者で芸術監督の米山さん、難解なシベリウスの交響曲第7番を明快に振り、躍動感を持った音楽として分かりやすく伝えてくれました。 米山さんの振りはいつもながらの省エネ指揮法で縦振りが基本。 聞き手の自分もその縦振りに知らずに合わせ、首でリズムを取りながら聴き進めていました。 そして次第に熱気も増し、中盤以降は弦と管の呼応したクライマックス。 熱さも十二分に出ていて痺れました。

そしてこれらに先立って演奏されたメンデルスゾーンの序曲「美しいメルジーネの物語」、こちらも米山さんの指揮。 耳馴染みのない曲ですが、古典派とロマン派の中間、橋渡しのような印象を持ちました。 淡々としていながらも美しい旋律が出て、クライマックスも落ち着きがありました。 トランペットが抑制されつつも主張した響きを出していて印象的でした。

アンコールはプロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」から行進曲、こちらも新谷さんによる豪快な演奏で締めくくり。 充実した演奏会でお腹いっぱいになりました。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20080506.htm

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