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August 04, 2007

【感想】大阪府医師会フィルハーモニー 第37回定期演奏会

2007年7月29日(日) 14:00  いずみホール

J.シュトラウス: 喜歌劇「こうもり」序曲
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64 (*)
シューマン: 交響曲第2番ハ長調op.61

(アンコール)J.シュトラウス: 喜歌劇「こうもり」序曲 後半部分

独奏: 重岡菜穂子(vn)

指揮: 奥村哲也

<感想>

重厚な響きながら軽快に進めていく演奏の数々、ストレートで熱い演奏には気合が入ってました。
指揮者の奥村哲也さんのリードによるものかもしれませんが、どの演奏もやや即物的な感じでカチっと纏めていたようです。 なかでもシューマンの交響曲第2番、シューマンらしいもやもやっとした感じもよく出ていましたし、全員がひとつの響きにまとまっていた素晴らしい演奏でした。

シューマンの交響曲第2番、実演で聴いたのはこれが2回目でしょうか。 大好きな曲で、なかなか実演では聴けない曲でもあって期待も大きかったのですが、その期待を遥かに上回る素晴らしい演奏でした。 何より全員がひとつにまとまった演奏が素晴らしく、譜面をバサッとめくる音もまた大きく、気合が入っていましたね。 ぐぃぐぃと進めていたのがとくに印象に残りました。 シューマンの交響曲、オーケストレーションが稚拙だといわれますが、そのもやもや感もよく出ていましたけれど、オケの響きの質が均質でしかも重厚。 しかもそれが軽快に駆けていたのにオケの実力を感じました。 満足しました。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、そんな奥村さんがバックについて重岡菜穂子さんのキリっと引き締まった独奏を支えていました。 そして重岡さん、安定したテクニックで見事にこの曲を聴かせました。 巧かった。 もうちょっと感興に任せて弾くような柔軟性や自由度が欲しいなぁ~ などと偉そうに思っていましたけれど・・・でも事前にきちんと計算して組み立てた安定した演奏なのですが、これを支える抜群のテクニック、難しいパッセージも軽やかに弾きこなして進めます。 そして何より素晴らしいのは、技巧だけではなく響きの質。 テクニックが立っても決して冷たい響きにならないことですね。 まろやかさやコクのある響きがするのがとても印象的でした。 フランドル地方の響きに似ているかなぁ、と思っていたら、プログラムをよく読むとベルギー王立音楽院の大学院に留学が決定されているそうですね。 この響きの質にはベルギーが合っていると思います。 亡くなってしまったけれどローラ・ボベスコのような魅力的なヴァイオリニストになって欲しいなぁ。 今後に期待。

冒頭のJ.シュトラウスの「こうもり」序曲もまた重厚な響きを軽快にスパスパと決めながら進めた演奏。 ここでも中低弦がしっかりと曲を支えていました。 また管楽器もよく揃っていて、全体の響きによく溶け合っていましたね。 もうちょっと抑揚つけたりタメを効かせると・・なんてヤボですか。 すみません。 このオケのこと初めて聴かせてもらいましたが、とてもポテンシャルの高いオケなのでそんな欲も出てきました。 許してください。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20070729.htm

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