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July 07, 2007

【感想】アンサンブル・コスモリバティ 第17回定期演奏会

2007年6月30日(土) 14:00  吹田市文化会館メイシアター中ホール

グリーグ: 組曲「ホルベアの時代から」 Op.40
早川正明: バロック風日本の四季より「夏」
モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調「軍隊」 K.218
シューベルト: 交響曲第5番 変ロ長調 D.485

(アンコール)シューベルト: セレナーデ

独奏: 池川章子

指揮: 木村俊明

<感想>

人生の諸先輩方による味わい深い演奏会を今年も楽しみました。

冒頭の「ホルベアの時代から」はまだ少々手探りな部分も感じましたけれど、誠実なアンサンブルが味わい深く、とくにアリア。 人生の晩秋も感じさせる静けさに心が沁みました。

続く早川正昭作曲の「バロック風日本の四季より『夏』」を個人的には特筆大書しておきたいですね。 昨年の『春』でも感じたのですが、演奏者の皆さんの共感を感じさせる演奏に胸を躍らされ、心洗われました。 気持ちがよくのった豊かなアンサンブルを聴かせた第1楽章「我は海の子」、短調ながら馴染んだメロディを追いかけてうっとりとさせる第2楽章「雨」、そして艶やかなヴァイオリン・ソロも相俟って爽やかな第3楽章「海」と、いずれも日本の夏の風物をさらっと感じさせる素晴らしい演奏でした。 客席からも惜しみない拍手が贈られていました。 来年は『秋』がかかるとのこと、今からもう楽しみにしています。

そしてソリストに池川章子さんを迎えたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番。 プログラムに書かれたとおりの「共奏曲」。 池川さん、先日の枚方フィルではベートーヴェンだったこともあって少々気負いのようなものを感じたのですが、ここでのモーツァルトは美しい響きで歌って素敵。 暖かみを感じさせるふくよかな響きでもありました。 オケもまた指揮者の木村さんのもと、雄弁に奏でて競奏して協奏。 興に乗るのではなく、理知的な感じもさせたモーツァルトをたっぷりと味わいました。

休憩を挟んでメインのシューベルトの交響曲第5番。 こちらは覇気を感じさせる演奏が見事でした。 若い管楽器奏者の方々に刺激されたこともあるのでしょうか。 活きのいい第1楽章、落ちついた色合いの第2楽章、誠実に進めた第3楽章に終楽章では力のこもったフィナーレへと結びつけて幕。 常に低弦がしっかりと鳴り、その上に各パートが乗って響きを合わせた素晴らしい演奏でした。 これは指揮者の木村さんの手腕によるところ大なのでしょうが、演奏しきったオケの皆さんも立派。 演奏もさることながら終演後の皆さんの笑顔もとても爽快でした。

昨年「理詰めで音楽を聴いたり演奏するのとは違う音楽の楽しみを感じた」と書きましたけれど、今年もまったく同じ。 うまく年輪を重ねた方々の素適なアンサンブルを楽しみました。 いくつになっても楽器を演奏して音楽を楽しめる、素晴らしいことだと思います。 元気を頂きました。
有り難うございました。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20070630.htm

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