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January 01, 2007

【感想】第13回 天理の第九演奏会

2006年12月23日(祝・日) 16:00  天理市民会館・やまのべホール

<第1部>
モーツァルト: 歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲K.527(*)
J.シュトラウス: 喜歌劇「こうもり」序曲367(*)
<第2部>
ベートーヴェン: 交響曲第9番「合唱つき」op.125
(アンコール):「ふるさと」「蛍の光」

独唱:老田裕子(S)、西村薫(MS)、松本薫平(T)、晴雅彦(Br)
合唱:天理第九合唱団、合唱指導:千葉宗次

管弦楽:<第1部>天理シティーオーケストラ
    <第2部>天理第九管弦楽団

指揮:津田雄二郎、安野英之(*)

<感想>

気持のよく乗った素晴らしい合唱でした。 タイトでよく締まった声が、壁のようにそびえ立った合唱団の席からビンビンと響き渡ってきて、一昨年と同様の感動がまた甦ってきました。

とにかく曖昧さを感じさせない合唱です。 各声部がきちんと聴こえ、かつ響きあっていました。 そして津田雄二郎さんの指揮にも巧く応えたコントロール。 一昨年、第九は「合唱付き」と呼ばれるけれど天理の第九は「合唱」そのもの、と書いた記憶がありますが、今年もまた同じ感想を持ちました。

オーケストラの演奏としては、前3楽章まではどことなく即物的で淡々と進めているような感じではかなったでしょうか。 個人的には、もうちょっとオーケストラを歌わせて欲しいようにも思って聴いていたのですけれど、第4楽章になるとそのようなことはどうでも良くなった、というとオケの方には失礼ですが、そう思ってしまいました。 すみません。
オーケストラのしっかりとした中低弦の響きを芯にして力強い男声合唱が乗り、しゃきっとした女声合唱もまたアルトとソプラノがしっかりと分離してのステレオ効果。 金管楽器が上質な響きで華やぎを加えたクラマックスでは、コントラバスの弓使いのなんと物凄い速さなんでしょう。 熱気が更に高まり、合唱がオーケストラをも包み込んで心が満たされました。

今年は中学1年の長男も同行しての鑑賞となりましたが、その長男もまた、凄かった、と漏らしていましたので、勘違いではないと思います。 熱い感動を覚えました。

なおこれに先立って演奏された安野英之さんの指揮によるモーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲とヨハン・シュトラウス2世による喜歌劇「こうもり」序曲。 どちらも落着いてよく纏まった上質な演奏でした。 弾力に富んだ「ドン・ジョバンニ」、しなやかに歌った「こうもり」、いずれも上品で丁寧に纏めていましたね。 ここでも響きの柔らかなコントラバス、とても印象に残りました。

演奏会のあと、長男と二人で駅前のイルミネーションを見ながらの帰路、振る舞いぜんざいも頂き、温かな気持ちを持って帰路につくことができました。 とても気持ちのいい演奏会でした。 ありがとうございました。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20061223.htm

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