« 5/27:沼津交響楽団 第22回定期演奏会 | Main | 【LP】ロストロ&ブリテンによるシューベルトのアルペジョーネ・ソナタ »

April 30, 2006

【感想】芦屋交響楽団 第65回定期演奏会

2006年4月23日(日) 16:00  ザ・シンフォニーホール

ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」作品9
ド・ホン・クァン: ベトナム狂詩曲
ファリャ: バレエ音楽「恋は魔術師」(*)
伊福部昭: シンフォニア・タプカーラ(1979年改訂版)

(アンコール):伊福部昭: SF交響ファンタジー第1番

独唱: 腰越満美(S)

指揮: 本名徹次

<感想>

芦響のいずれも巧い演奏の中でも、伊福部昭の演奏は一段とレベルが違っていました。
気迫というか、意気込み、共感といったものがびんびんと伝わってきた演奏でした。
その「シンフォニア・タプカーラ」の冒頭、1979年の改訂で付け加えられたノスタジックな序奏に北海道(蝦夷)の大地を感じました。 そして主題の民族的なリズム・パターンの繰返し。
どこかゴジラのテーマにも似たリズムに、ぞくぞくっと。 そしてこのまま最後まで、ぐぃと胸ぐらを掴まれたまま、一気に最後まで聴き通した、そんな感じでした。 オケから湧き上がってくる気迫のようなものが、これまでに演奏された曲とは段違いでした。
なおアンコールも、同じく伊福部昭の「SF交響ファンタジー第1番」、しかも全曲。 この演奏には、今年亡くなった伊福部さんへの追悼の気持ちが滲み出ていました。 それが聴き手のこちらにも伝わってきたのでしょうね、冒頭のゴジラの動機から間奏曲と聴き進むうち、何故か涙があふれてきそうになって困りました。
大げさになるかもしれませんが、これらは本名さん指揮による芦響にしかできない音楽じゃないか、そんな風にも思えた演奏でした。 芦響の演奏は、いつもながら技量のみならず、伝わってくるもののレベルが違うように感じざるを得ません。
こんなにも素晴らしい伊福部さんの演奏、しかも2曲も聴けたとても幸せな演奏会でした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20060423.htm

|

« 5/27:沼津交響楽団 第22回定期演奏会 | Main | 【LP】ロストロ&ブリテンによるシューベルトのアルペジョーネ・ソナタ »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 【感想】芦屋交響楽団 第65回定期演奏会:

« 5/27:沼津交響楽団 第22回定期演奏会 | Main | 【LP】ロストロ&ブリテンによるシューベルトのアルペジョーネ・ソナタ »