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December 03, 2005

【感想】奈良女子大学管弦楽団 第36回定期演奏会

2005年11月27日(日) 13:30  奈良県文化会館・国際ホール

ドヴォルザーク: スラブ舞曲から
         第1集第1番、第1集第2番、第2集第3番、第1集第8番
チャイコフスキー: 交響曲第6番『悲愴』ロ単調op.74

(アンコール)チャイコフスキー: 「眠りの森の美女」よりワルツ

指揮: 牧村邦彦

<感想>

いつもながら、このオケの飛躍振りには目を見張るものがあります。 今回もいい演奏会でした。
会場は奈良県文化会館国際ホール、このところ2階席への立ち入りが禁止されていましたけど、今回は開放。 それだけお客さんが入っているということで、関係者ではありませんが、嬉しい限りです。 
そして開演前から、オケメンバーの方が自由入場。 各自演奏開始前に練習してやる気満々・・・ってな感じ。 確かにその気合は、ドヴォルザークのスラヴ舞曲集に篭ってました。 
この舞曲集より4曲が演奏されましたが、いずれも遅いテンポながら充実した演奏でした。 言い方は悪いですが、噛んで含めるような感じもするのですけどね、堂々としていて立派。 言うならば、ドイツ風の演奏でした。
よくよく考えれば牧村さん、オトマール・スウィトナーさんに師事されていました。 スィトナーさんの録音でこの曲を聴いたことはありませんが(ドヴォルザークの交響曲全集は持っています)、スィトナーさんが指揮されたらこんな感じになると思えるほど、構成感があり、かつ熱い演奏でした。 とても満足しました。
休憩を挟んでチャイコフスキーの悲愴交響曲。 こちらも構成感のしっかりとした見事な演奏でした。 初めてこのオケを聴いたのは2000年のスプコンだったかしら、このような演奏が聴けるとは夢にも思いませでした(というと失礼かな)。 
だからこそ、あえて言わせてもらうならば、個人的な好みで申し訳ありませんが、第3楽章と終楽章の間の落差がもっと欲しかったなぁと。 第3楽章はパワーを前面に出し、巧く纏めているような感じでしたけど、もっと渦巻くような感じが欲しかったですし、終楽章はもっと陰鬱でうごめくような感じに対比つけて欲しかった。
でもこれはオケよりも牧村さんのせいかもしれませんね。 1〜3楽章まではかなり抑え目の指揮でしたけれど、第4楽章は逆にそれまでと違って大きく振って指揮台の上を動きまわっておられましたものね。 第3楽章の熱気をそのまま終楽章に雪崩れ込ませてしまったからかもしれません。
しかしそんな好みは置いておいても、本当に各パートがよく纏まってました。 それは見事な演奏でした(だからこそ、こんな要求も言えるのだと思います)。 演奏会はとても充実していましたし、好みは好みとして、演奏を楽ませていただき、満足して会場を後にできました。 皆さん、お疲れさまでした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20051127.htm

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