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December 28, 2005

【感想】オーケストラ千里山 第10回定期演奏会

2005年12月25日(日) 14:00  伊丹市立文化会館・いたみホール

チャイコフスキー: バレエ音楽「くるみ割り人形より」(*)
  小序曲、行進曲、パ・ド・ドゥーこんぺい糖の精の踊り、
  トレパーク(ロシアの踊り)、チョコレート(スペインの踊り)、
  パ・ド・ドゥー序奏、お茶(中国の踊り)、あし笛の踊り、花のワルツ
マーラー: 交響曲第1番ニ長調

アンコール: L.アンダーソン: クリスマス・フェスティヴァル

指揮:船曳圭一郎、北野洋平(*)

<感想>

溌剌とした「くるみ割り人形」、タイトによく締まった「巨人」、このオケを始めて聴かせていただいたときには、ここまで成長するとは正直思いませんでした。 しかも、このオケの特長である誠実な演奏がそのまま残っていることも感動を大きくする要因でした。
「くるみ割り人形」は、団内指揮者として今回始めて指揮台に立った北野さんの指揮でしたが、とても始めてとは思えない、堂に入った指揮ぶり。 しかもとても気持ちの良い演奏だったのは、仲間との一体感があったからでしょうね。 締めるべきところはしっかりと締め、歌うべきところは歌い、演奏している皆さんも実に楽しそうでした。 これがオケ千らしい演奏といっていいでしょう。 しかも後半、オケもノッてきて、タイトに締まった演奏となって聴き応えも充分。 クリスマスには「くるみ割り人形」、そんな暖かな感じのする演奏を満喫しました。
マーラーの「巨人」、こちらはオケ千として始めて招聘されたプロ指揮者である船曳さんの指揮。 かっちりと纏まった「巨人」でした。 船曳さん、もっと感興に任せた指揮かと思ったのですが、ちょっと遅めのテンポ設定とし、基本的にインテンポでぐぃぐぃと曲を進めてゆきました。 オケもそれによく応えて見事。 抑制がよく効いて締まった演奏なのですが、クライマックスではオケの底から湧き出るような響きを出して聴き応え充分です。 オケの一体感から醸成されてくる響きですね。 そしてまたその演奏から、朴訥さや誠実さが滲み出てくるような感じもします。 数多くこの曲の演奏を聴いてきましたが、オケとしての一体感と、朴訥さや誠実さが両立している演奏って、そんなにあるように思えません。 オケ千ならではの演奏だったのではないでしょうか。 今後の活躍を期待させた素晴らしい演奏でした。
素晴らしい演奏で今年を締めくくることができました。 皆さんお疲れさまでした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20051225.htm

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