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September 22, 2005

【感想】尼崎市民交響楽団 第20回記念定期演奏会

2005年9月19日(祝・月) 14:00 尼崎アルカイックホール

ロッシーニ: 「セビリアの理髪師」序曲
シューベルト: 交響曲第8番ロ短調「未完成」D759
ベルリオーズ: 幻想交響曲Op14

(アンコール):マスカーニ: 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲

指揮: 辻 敏治

<感想>

音楽を楽しんでいることがストレートに分かる気持ちのすっきりした演奏会でした。
初めて聴くオーケストラなのですけど、どこか懐かしい感じのする演奏なのは、指揮者の辻敏治さんだからでしょうか。 
いきなり脱線しますが、辻さんご自身のホームページには、1970年に大阪音大を卒業、在学中より福村芳一さんの助言を受け、卒業後は渡邊曉雄さん、山田一雄さんの門下になるとの記載がありました。 懐かしいお名前ですね。 福村さんも山田さんも京響時代に生で聴かせていただいたこと、当時まだ中学生でしたけど、今でも心に残っています。
とにかく始めて聴かせていただいた尼響。 緻密な響きをストイックに追求するというよりも、アンサンブルを楽しむ団体という感じでしょうか。 枚方フィルに似ているような気もしました。
それはともかく、暖かな感じのする響きが特徴的だったロッシーニの「セヴィリアの理髪師」序曲。 ちょっとバランス的にはどうかな、なんて思えた面もありましたけど、ストレートな演奏には好感が持てました。
シューベルトの未完成交響曲は、ゆったりとしたテンポから沸きあがってくるようなアンサンブルの力を感じた演奏でした。 柔らかでまろやかな響きが特徴的で、自然に盛り上がり、そしてすぅ〜と退いてゆくような感じ。 第2楽章も暖かな響きが実に魅力的に響いていましたね。 オーソドックスにオーケストラをたっぷりと鳴らした演奏を楽しみました。
そしてベルリオーズの幻想交響曲、気迫の篭った演奏に感動しました。 この演奏の大きな特徴は弦楽アンサンブルが安定していたことでしょうか。 全体をしっかりと支えていましたね。 辻さんも、これまでと同じように慌てず騒がず、オケ本来の力が存分に出せるところを狙ってゆっくりと盛り立ててゆく感じ。 木管楽器はしっとりと歌い、金管や打楽器も呼吸を大きくとって、うねるような堂々たる演奏でした。 全員一丸となった演奏は、第20回の記念演奏会にふさわしい感動的な演奏でした。
なお、お客さんには小さなお子さん連れも多く、演奏途中に出入りもあったし、楽章毎には必ず拍手もあったのですけどね。 演奏終了後には、凄かったね、よかったね、との声があちこちから聞こえてきて、みんなに愛されているオーケストラなんだな、ということがよく分かりました。 暖かい気持ちになって会場を後にできたとても気持ちのいい演奏会でした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20050919.htm

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