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March 23, 2005

【感想】鎮魂と未来に向けてのコンサート・復活

阪神・淡路大震災10年
鎮魂と未来に向けてのコンサート・復活
2005年3月20日(日) 15:00 神戸文化ホール・大ホール

J.C.バッハ: ヴィオラ協奏曲ハ短調より第2楽章
マーラー: 交響曲第2番ハ短調「復活」

独奏: 李 善銘(va)

独唱: 井岡潤子(S)、竹本節子(MS)

管弦楽: 神戸市民交響楽団
合唱: コープこうべ復活合唱団

指揮: 田中一嘉

<感想>

一音たりとも疎かにしない真摯さを感じた熱い演奏に、体調が悪かったのもすっかり忘れて聴き入りました。 素晴らしい演奏会でした。
阪神・淡路大震災から10年。 コープこうべと神戸市民交響楽団は、年末の第九コンサートを長年ともに演奏されているとのこと。 その合唱団が母体となって一般公募や広島から「平和を祈る復活コンサート」に出演しておられる合唱団も加わり、今回のマーラーの交響曲第2番「復活」の演奏会となったそうです。
指揮者は神戸市民交響楽団を何度も指揮されている田中一嘉さん。 さすがにこのオケのことを知り尽くしていた丹念な音楽造りで真摯で熱い演奏を造りあげました。 特に第1楽章では、ほとんど立ち位置を動かさず、右手で小さく振って緊張感を絶やしません。 ゆっくりしたテンポ設定は長丁場となるオケの体力も考えてのことでしょうが、一音一音にメンバーの気持ち・想いをうまく乗せることに成功した充実した音楽として、これを終楽章まで見事に引き継いだ素晴らしい演奏としていました。
そしてその終楽章、ぎゅっと引き締まっていながら奥行きを感じさせた合唱の声の層がとても素晴らしいものでした。 ソリストでは竹本さんの深々としたおごそかな声、井岡さんの甘い声の響きもまた印象的。 バンダへと急いで目まぐるしく動くオケの金管や打楽器メンバーなど、ステージの全員が一致協力した感動的な音楽、熱い演奏ながら、田中さんの指揮はここでも必要以上に煽ることなく、真摯そのもの。 気持ちが引き締まった演奏に感動しました。
なお、前半のプログラムとして演奏されたJ.C.バッハのヴィオラ協奏曲。 震災のスライドを映しながらの演奏でしたが、神戸生まれで名フィルの奏者でもある李 善銘さんの深みのあるヴィオラの響きが心に染み入るようでした。 演奏終了後、静かな感動を伝えた客席からの拍手の響きに滋味があり、深々と頭を下げた李さんと田中さんの姿もまた印象深く心に残りました。
関係者の皆さん、ホールに集まった皆さんの気持ちがよく伝わってきた演奏会でした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20050320.htm

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Comments

丁度、神戸市民~と同じくして、オーケストラ千里山に出演しておりました。
実際、今回の「復活」では、知り合い(大学時代の大先輩や後輩)がたくさん出演しておりましたので、「聴きに行きたい演奏会」ではあったのですが、たまたま本番と重なってしまいました。

こちらのBlogでの感想を拝見しただけでも、それはそれは良い演奏会だったであろうと、容易に想像出来ます。

私には、また次の演奏会が控えておりますが、
いつか、「復活」のような、大きな曲に巡り会いたい物です。
※聴きに行く機会としても、
    演奏する機会としても・・・。

Posted by: NAN | March 24, 2005 11:42 PM

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Tracked on March 24, 2005 11:28 PM

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