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March 19, 2005

【感想】奈良フィルハーモニー管弦楽団 第16回定期演奏会

奈良フィルハーモニー管弦楽団 第16回定期演奏会
2005年3月13日(日) 13:30 奈良県文化会館・国際ホール

モーツァルト:交響曲第32番ト長調K.318
ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番変ホ長調op.74
ブラームス:交響曲第4番ホ短調op.98

(アンコール)ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

独奏:山本浩資(cl)

指揮:横島勝人

<感想>

素晴らしく熱い演奏会に圧倒され、満足して帰ってきました。
冒頭のモーツァルトの交響曲第32番から魅了されました。  軽快な響きなのですが、決して軽くない音楽。 オケの響きにキレがありますし、弦楽器には艶があって素敵です。 そこに管楽器の抑えた響きが絶妙にバランスされた素晴らしい演奏でした。
続くウェーバーのクラリネット協奏曲。 こちらは団員でもある山本浩資さんのクラリネット・ソロが見事の一言。 難しい跳躍や速いフレーズの連続も飄々と演奏され、しかも高音域での煌くような響きの明るさが特徴的でした。 そしてここでも伴奏のオケが素晴らしかった。 ピタっと丁寧に付けているだけでなく、横島さんの指揮のもと、息づいた充実した音楽を展開。 そしてフィナーレに至って、両者が熱く絡み合う感動的なエンディングでした。 演奏終了後、仲間のオケ団員はもちろん指揮者の横島さんもまた嬉しそうな表情がこぼれていたのが印象的でした。
そして何より今回の演奏会のメインのブラームスの交響曲第4番での熱い演奏に圧倒されました。
失礼ながら奈良フィルからこのような熱い音楽がほとばしり出てくるとは予想だにしていませんでした。 また横島さんの常に全力投球の熱い指揮も素晴らしかった。 熱気が漲っているのですけど、抑えるべきところもまたぐっと熱く抑え込みます。 常に走りっぱなしではありません。 歌わせる部分は熱く歌わせ、クライマックスもまた熱く迫力のこもった音楽を構築。 構成感がきちんとあったうえでの熱さが特徴的です。 しかもその動きたるやエネルギーの塊のような感じにも見えます。 見ていても熱くなりますけど、オケもそのような熱い指揮に見事に応えて見事でした。 このオケらしい上品さを少しも失うことなく、非常に感動的な音楽を届けてくれました。 贅沢を言わせてもらうならば、もう少しヴァイオリンの数が欲しかったところですけれど、これだけの熱い演奏であってもどの局面においてもバランスを欠くことがなく、非常によく纏まった響きだったのに感動しました。 これは横島さんのバランス感覚の良さやオーケストラ・コントロールの賜物もあるでしょうけれど、美しい響きを損なわない奈良フィルの今後の成長がますます楽しみです。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20050313.htm

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