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January 20, 2005

【感想】京都大学交響楽団 第176回定期演奏会

2005年1月17日(月) 19:00  ザ・シンフォニーホール

(阪神淡路大震災の追悼演奏):J.S.バッハ: G線上のアリア

ブラームス: 大学祝典序曲 op.80
シューベルト: 交響曲第7番「未完成」 ロ短調 D.759
ラフマニノフ: 交響曲第3番 イ短調 op.44

指揮:岩村 力

<感想>

ラフマニノフの交響曲第3番の熱く情感のこもった演奏に痺れました。 あまり耳馴染みのない曲なのですけれど、この演奏でもって、この曲の持っている魅力や醍醐味を知ったように思います。 ラフマニノフ特有な熱っぽいロマンティシズムと独特な色彩感を感じさせたモダニズム、それらが見事に合体した演奏に満足しました。
指揮者の岩村 力さんはNHK交響楽団のアシスタント・コンダクター。 N響アワーでインタビューを拝見したことがある程度ですが、暖かみを感じさせる音楽作りだったでしょうか。 機能的なこのオケを若さに任せて走ることなく、緩急やメリハリをきちんとつけてオケをしっかりとリードし、特に暖徐部分でテンポを落としてしっとりと歌わせていたのがとても印象的でした。
そのような岩村さんの魅力がよく出ていたのが、演奏会に先立って阪神淡路大震災の追悼のために演奏されたバッハのG線上のアリアでしょう。 かなり落としたテンポ設定から、コントラバスの響きにのせ、心に染み入るように紡いだヴァイオリンのアンサンブル。 生きて音楽を楽しめる幸せをしみじみと感じ入った瞬間でした。
なおブラームスの大学祝典序曲はケレン味なくすっきりと纏めた演奏。 シューベルトの未完成交響曲も熱のこもった演奏だったと思います。 ただし、前者はよく揃ってはいるけど響きの調和や深みに欠けるように感じましたし、後者では暖徐部分でテンポを落としてしっとりと歌わせたのを容赦なく断ち切ることの繰返しのようにも感じました(対比させていたのでしょうけれど)。 特に後者では繰返しをすべて履行していたはずで、それもあって少々退屈に感じてしまったことからそう思えたのかもしれません。
普通のアマオケならば巧い・見事などと手放しに褒めるべきところなのですけれど、ちょっとこのオケとしては注文をつけたくなってしまったことは許してください。 
いずれにしてもラフマニノフの交響曲第3番の演奏の素晴らしさはまた格別でした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20050117.htm

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