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December 19, 2004

【感想】甲南大学文化会交響楽団 第44回定期演奏会

2004年12月18日(土)18:30 神戸国際会館こくさいホール

サン=サーンス: 「アルジェリア組曲」よりフランス軍隊行進曲(*)
ブラームス: 悲劇的序曲
ラフマニノフ: 交響曲第2番ホ短調

指揮:田久保裕一、石井規之(*)

<感想>

田久保さんの熱い指揮にオーケストラが見事に応え、ドラマティックな音楽を堪能しました。 田久保さんの指揮を拝見するのは1年ぶり。 昨年末もこの甲南大学交響楽団を指揮されていましたけれど、いつもながらの熱い音楽表現は変わりません。 全身を使った指揮姿を見ているだけで、次に何をしなければならないのかが手にとるように判るみたいです。 オーケストラもそのような田久保さんにのせられて集中力が高まり、見事な演奏で応えていたのが印象的でした。
今回の演奏会では何といってもメインのラフマニノフの交響曲第2番。 とても素晴らしい演奏に感激しました。 特に第3楽章の美しさは言葉に出来ないほど。 聞き惚れてしまいました。 また全曲を通しても、豊かな情感がひしひしと伝わってくる演奏でした。 ラフマニノフ特有の甘美なメロディをよく歌わせているのですけれど、オーケストラの響きに若者が持つ特有の張りのようなものがあるせいでしょう、清楚で爽やかな感じがします。 甘美なメロディのオンパレードなのにベタつくところが全くりません。 そして田久保さんにドライブされたオケの響きが充分に熱くて、ドラマティックな音楽に痺れました。
また、ブラームスの悲劇的序曲もうねるような響きでこちらもドラマティック。 激しく悲嘆に暮れて絶望するのではなく、覇気をもって絶望の底から這い上がってくる底力のようなものを随所に感じさせる演奏でした。 底光りのする艶も感じさせた音楽に唸りました。 
学生指揮によるフランス軍隊行進曲は派手さを抑え、キリッと纏めた演奏が見事でした。 豊かな響きの弦、暖かな木管、抑制をよく効かせた金管とパーカッション。 指揮者とオーケストラが一丸となって音楽を盛り立てていました。
いずれも相当に練習を積まれたのではないでしょうか。 そのためにアンコールはなし。 最後は田久保さんの計らいで4回生の皆さんが立たされ、演奏の成功と今後の門出を祝い、観客より惜しみない拍手が贈られていました。 心に残る素晴らしい演奏でした。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20041218.htm

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