« 11/21:橿原交響楽団 第12回定期演奏会 | Main | 【感想】豊中市民管弦楽団 第31回定期演奏会 »

November 16, 2004

【感想】宝塚市交響楽団 第38回定期演奏会

2004年11月13日(土) 18:30  いたみホール

ブラームス: 大学祝典序曲 作品80
モーツァルト: ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ドヴォルザーク: 交響曲第7番ニ短調 作品70

(アンコール)ドヴォルザーク: スラヴ舞曲第10番、第8番

独奏: 東郷麻矢

指揮: 佐々木宏

<感想>

熱く語ったドヴォルザークの交響曲第7番に何度も身を乗り出して聴いていました。 
急激な盛り上がり、さっと翻しての歌と、集中力の高い演奏に耳を奪われました。 でも実は最初のブラームスの大学祝典序曲を聞いたとき、あまりの急激な盛り上げぶりにかなり戸惑っていました。 強弱をはっきりとつけるためか、指揮者の佐々木さんの少々暴力的にも思えた急激な盛り上げ方。 ついていけませんでした。 この調子でメインの交響曲を演られたらたまらんなぁ、なんて思っていたのですけれどそれは杞憂。 メリハリのついた演奏は予想通りでしたが、安定した中低弦・ティムパニの上にヴァイオリンが乗り、チャーミングな木管楽器とよく締まったブラス、重層感のよく出た音楽には腰が据わっていました。 そして何よりよく歌っていました。 充実した音楽は終楽章まで集中力が途切れず、粘りを増して感動的なフィナーレ。 素晴らしかった。 いずれの演奏も熱演といえるものでしたけれど、さすがにこの演奏にはオケの皆さんも気合が随分入っていたのでしょう。 終演後、オケのあちこちから満足そうな笑み、すごかったねぇ、といった感じの笑みがこぼれていたのがとても印象的でした。
なおこれに先立って演奏されたモーツァルトのピアノ協奏曲第20番。 かなり思い入れの深い曲なのですけど、今回の演奏では、カッチリとしたオケの伴奏に乗せた端正で真摯な演奏を楽しみました。 でもそんな真摯な響きの中にそこはかとない華やかさが感じられたのは東郷さんによるところでしょう。 軽やかなタッチながら深みと華やかさを感じさせたピアノ。 特に第2楽章がとても素敵でした。 終楽章はちょっと走りすぎた感はありましたけれど、でも疾走する悲しみとして理解できる演奏です。 こちらもよく纏まった素敵な演奏でした。
大学祝典序曲は先にも書いたように、急激な盛り上げ方に驚いていました。 佐々木さんの気迫の篭った指揮姿に、血管が切れないのか、なんて余計なことを思ったりも・・・とにかく熱い演奏で突っ走った感じでした。
アンコールも含めて佐々木さんの基本的なアプローチは同じように思いました。 曲に真摯に立ち向かい、きちんとメリハリをつけた音楽といった印象です。 そしてオケは、そんな佐々木さんに常に全力で応えていました。 機動力の高さを感じました。

<詳細>

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/concert/20041113.htm

|

« 11/21:橿原交響楽団 第12回定期演奏会 | Main | 【感想】豊中市民管弦楽団 第31回定期演奏会 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 【感想】宝塚市交響楽団 第38回定期演奏会:

« 11/21:橿原交響楽団 第12回定期演奏会 | Main | 【感想】豊中市民管弦楽団 第31回定期演奏会 »